奥能登地震と豪雨による土砂崩れで寸断された農道。行政の対応を待つだけでは進展が見込めず、自力での復旧を決意した。
その中で出会ったのが、NPO法人「日本笑顔プロジェクト」だった。重機の資格講習を通じてつながりが生まれ、彼らの協力を得ることに。
今回は、現地視察の様子や役場とのやり取り、作業に向けた準備についてまとめる。
日本笑顔プロジェクトによる現地視察
重機講習の最中、私は携帯で撮った現場の写真を講師に見せた。すると彼は、一度現場を確認する必要があると言う。三月初旬、私は「日本笑顔プロジェクト」のメンバーたちと共に土砂崩れの道へと向かった。
プロの視点
崩落した農道を目の前にし、私は改めて状況を説明した。彼らは真剣な表情で、作業の段取りを考えていた。そして、安全を最優先しながら、可能な範囲で私の要望に応えてくれることが決まった。
だが、それだけではない。彼らは、現場での時間を少しでも楽しいものにしようと、調理班による炊き出しや、メンバー同士の交流の計画も立てていた。その前向きな雰囲気に、私自身も次第に気分が高揚していくのを感じた。
役場との調整——ボランティア活動の合意
現地視察の後、私は役場へ向かった。担当者は、市による復旧作業の見込みが立っておらず、ボランティアの支援は大変ありがたい、と言ってくれた。
土砂や流木の処理方法について相談すると、あくまで一時的な啓開作業であるため、現場から運び出す必要はない、という方針が決まった。土砂は配管にかからないよう集め、流木は道路脇に積む。これなら、最小限の労力で道を拓くことができる。
次に考えたのは、作業期間中のトイレの確保だ。
農園の向かいには、地元の炭焼き職人さんのクヌギ畑がある。彼もまた、土砂崩れで畑へ行けずに困っているはず。私は彼を通じ、近くの集会所のトイレを使えないかと相談してみることにした。
電話をかけ事情を説明すると、職人さんは「自分も助かる」と言ってくれたうえに、区長を紹介してくれた。ちょうどその頃、日本笑顔プロジェクトから、安全面に配慮された素晴らしい作業計画書が送られてきた。この資料が、職人さんや区長への説明に大いに役立った。
区長からも快諾をいただき、これで現場の準備は整った。
プロの仕事
現場視察から役場との調整、そしてトイレの確保。日本笑顔プロジェクトは、私のニーズを聞き、現場を確認し、人や資材を集め、着々と作業環境を整えていった。
私の願いは、ただ農道が通れるようになることだけだったが、この過程を経験できたのは、私にとって思わぬ副産物だった。
今回の件で、私は依頼者という立場だが、彼らボランティア側の気持ちや、気遣うべきことなども少しは理解できたと思う。この両者の気持ちを理解しておくことは、この後の実際の作業でも、大いに役立つはずだ。